「見える化」してわかりやすく(2025トレセミ実践例)

実践セミナーでは3つのグループにそれぞれ1名ずつ、合計3名のモデルさんに協力いただいています。今年度、特に意識したのは「セミナーで使ったもので持ち帰れるものはお土産としてモデル保護者にお渡しする」こと。「家庭との連携」を大事にしています。

Cグループ(成人モデル)の取り組み例

取り組み例の一部をご紹介します。
このグループのモデルとして、知的障害を伴うASDの成人男性が協力してくれました。
受講生へのモデルとしての協力はもちろん、それ以外の待ち時間をどう過ごすか。
トレーナーを始めとして、お手伝いしてくださるアシスタントスタッフが協力して考え、準備、実施します。
担当トレーナーは、モデル保護者の方への聞き取りや、事前動画から見える普段の様子から、このモデルさんの活動の一つとして「歯みがき」を取り入れることにしました。
家庭では一人で歯みがきをしていて、一見すると自立しているように見えるものの
・ 実は、保護者の声がけがないと、おわりがわからなかった
・ 磨けているところ、そうでないところがありそう
・ 「手がかり」を頼りにして、一人でできることが増えるといいな
ということから、Cグループ動画クリエイターのアシスタントスタッフ2名がこのトレセミの中で「歯みがき動画」を作ってくれました。

本来、セミナー中のお昼休みは保護者さんと一緒に過ごしてもらいますが、アシスタントスタッフはモデルさんと一緒に昼食を取り、完成した動画を使って「歯みがき」をしてもらい「モデルさんがわかるか」「タイミングはどうか」などの確認、そして微調整をしてくれました。
最初に作成し、モデルご本人に使ってもらったのがこちらのバージョン。

 

「磨く場所が変わる(場面が変わる)時に音が出て、それが合図になるのはどうだろう?」
という無茶ぶりにも笑顔で、加えて即納で応えてくれた動画クリエイター。
第二弾はこちら。

 

私たち周囲の人と、ASDのある人では捉え方も違います。
周囲の人がよかれと思って「こうしたら」「ああしたら」と思うかもしれませんが、
「音にびっくりしてしまう」方にとってみれば、「音あり」バージョンでなく「無音」の方がいいと思います。今回のモデルさんは、いずれも大丈夫だったようですが、その方に合わせてカスタマイズしていけるのもいいなと思っています。
一人ひとりに合わせる。これが「アセスメントが大事」という所以ですね。
担当トレーナーも「その支援が合っているかどうかはASDのご本人が教えてくれる」と話されていました。本当にその通りです。

支援が独りよがりなものにならないように。気を付けていく必要があると感じています。

この動画をモデルさんのご家庭に持ち帰ってもらい、実際に使ってもらっています。
保護者さんからも使ってみて様子をお知らせいただくなど、まさに「家庭との連携」となった事例です。

継続して取り組めるための「お土産」として、動画の形にしてくださった動画クリエイター(アシスタントスタッフ)の
・ 埼玉県立本庄特別支援学校 教諭 永山 宏平先生
・ 埼玉県立上尾特別支援学校 教諭 佐藤 陽太先生
お二人には心より感謝いたします。
彼らからは「直接的に動画編集に携わったのは我々2人ですが、編集作業に集中できたのは他のスタッフが丁寧にモデルさん対応や写真・撮影をしてくださっていたからでした。その意味では今回のCチーム全員が力を発揮できた結果、このような嬉しいおみやげを提供できたのかなと思います。」「誰かのお力になれれば幸いですのでどうぞご活用ください。」という嬉しいメッセージをいただいています。
本当にそうですね。関わってくださったグループの皆様に感謝を込めて。

家庭で支援を継続していくにあたって、こうした支援ツールを簡単に作って実践できる方もいれば、難しい方もいらっしゃいます。
「学校や通所先」と「家庭」とが同じツールを使い、連携して取り組むことができるよう、支援者の皆様にはご協力をいただけますとありがたいです。