私達の子どもたちにはどんな準備が必要だろう?
自閉スペクトラム症のある私達の子どもたちには、通常言われている準備のほか、特性に合わせた準備が必要だと思います。考えられること、以下にまとめてみました。
- お子さん本人とのコミュニケーション手段
非常時にいきなり視覚支援を始めるのは絶対に×!!
日頃から手段を見つけておきましょう
メモ・ペンなどの準備はマスト。 - おくすり手帳・常用している薬(ある方)
おくすり手帳アプリもあるが、スマホが使えなくなった時も考えておく - 食べ物
好きなものを準備しておけるといいですね。
(お菓子の支給はほぼないと思って。ローリングストックしておく。)
また、日頃から備蓄食品を食べてみる経験を積んでおくと、どんなものが
食べられて・どんなものが食べられないかがわかります。
保護者は、どんなものを備蓄しておいたらいいかの参考にもなります。
ペットボトルの「水」を飲むことはできる?
(飲料は「常温」のものが飲めるかどうか) - お風呂
ドライシャンプー・ウエットタオルを使う経験も大事。
男湯・女湯(年齢によっては異性保護者と一緒に入れない) - トイレ
和式の使用は可能?携帯トイレの使用は可能? - 余暇を過ごせるもの
電池・電源を使わないものを準備。そのためには「好きなこと」を見つけておけると○! - 感覚過敏への対応
- お気に入りグッズ
避難行動要支援者名簿・個別避難計画・福祉避難所
必要な方は、「避難行動要支援者名簿」への登録も検討しましょう。
お住まいの市町村ホームページに名簿に記載する対象者等、明記されていますのでご確認を。
更に「個別避難計画」の策定が必要な方もいるかもしれません。
自宅に大きな損傷がなく、自宅で過ごせるならそれにこしたことはないですが、避難が必要な場合、どこに避難するか。「避難所」についても確認しておきましょう。
地域の避難所で過ごすことが難しい場合「福祉避難所」についてもあらかじめ確認しておきましょう。
そうは言っても、どうしても「車中泊」を選ばなければならないことも想定されます。
地域によっては、大きな商業施設等の駐車場が開放されるなどの協定を結ばれているところもあるようです。
詳しくは市町村のホームページをご確認ください。
埼玉県自閉症協会
「緊急時対応マニュアル&緊急時対応ハンドブック」
当会では、「発達障害のある人たちへの緊急時対応マニュアル&対応ハンドブック」を作成しました。
これは、現場で活動する消防隊員・救急隊員の方を念頭に作成したもので、埼玉県危機管理防災部消防防災課に寄贈し、県内8000名の隊員の方に配布していただいたところです。
ハードな現場でも耐えられるよう、用紙には耐久性・耐水性に優れた「ストーンペーパー」を使用しています。長期間の使用も・また濡れても大丈夫です。
緊急時対応マニュアルとなる携帯シートは折りたたんでカードケースに入るポケットサイズでいつでも持ち歩けます。
(消防隊員・救急隊員の方に常時携行していただくためにこのサイズで作成しました)
ハンドブックは、発達障害の人たちの特性・配慮していただきたいポイントをまとめてあります。(普段から消防隊員・救急隊員の方にご覧いただくこと、研修に利用いただくことも考えた内容となっています。)
内容監修はたすく株式会社の齊藤宇開先生が務めてくださっています。
こちらのページからご確認ください。
日本自閉症協会 防災・支援ハンドブック(平成24年3月作成)
日本自閉症協会では、「支援者向け」と「本人・保護者向け」の2種類の防災ハンドブックを刊行しています。ホームページからダウンロードしてお使いいただくことができます。
ご存知ですか?「救急情報キット」「緊急時安心キット」
「救急情報キット」や「緊急時安心キット」等、導入しているそれぞれの自治体で呼び名は異なりますが、一例としてさいたま市ホームページには以下のように説明があります。
“緊急時安心キットは、「かかり付け医療機関」や「緊急時の連絡先」などの情報を、専用の容器に入れ、各家庭の冷蔵庫に保管するものです。
このことにより、病気やけがなどで救急隊が駆け付けた時に、傷病者の正確な情報を素早く把握でき、迅速な救急搬送体制を整えることができます。”
(さいたま市HPより)
自治体により配布対象者が異なりますので、お住まいの自治体のHPなどで確認ください。
ヘルプカード
障がいや難病のある人が日頃から携帯することで、緊急時や災害時、日常生活で困ったときなどに支援や配慮を求めやすくするカードです。
お住まいの自治体で作成していることが多く、HPなどで公開されている場合は、ご自身で印刷して使用することができます。
お住まいの自治体のHPを確認ください。
サポートブック
様々な書式が公開されていると思いますが、当会でもサポートブックを作成・公開しています。(こちらのページから)
当会のサポートブックは、支援して下さる方にお子さんを預ける場合や、災害などの非常時に保護者と離れてしまった場合でも、適切な支援が受けられるようにとの願いを込めたものです。
埼玉県 災害時の要配慮者のための支援マニュアル
埼玉県では、災害時の要配慮者のための支援マニュアルとして、本人、市町村、福祉避難所(社会福祉法人)向けに各マニュアルを作成しています。
1(本人、家族、地域の方向け)
「災害に備えて~高齢の人と障害のある人、そして地域の皆さんのために~」
2(市町村向け)
「市町村災害時高齢者・障害者支援マニュアル作成の手引き(改訂版)」
3(社会福祉法人向け)
「福祉避難所設置・運営マニュアル(協定締結法人用・共通版)」 (平成28年11月改訂)
これらは全て埼玉県ホームページに掲載されています。こちらから
その他 各種サイト
発達障害情報・支援センター「災害時の発達障害児・者支援について」
(Twitterアカウント) 防災ニッポン @Bosai_Nippon
★以下の記事の中にも参考になるサイトをまとめています。
【情報まとめ】災害時に参考になるサイト
「地域防災計画」ってなぁに?
都道府県・市町村が地域の実情に合わせ、災害時にどのように対応するか、とりまとめた計画です。
地震のみならず、風水害や複合災害、事故災害などあらゆることを想定した計画になっていますので、非常に多岐にわたるものとなっています。
この中にはもちろん、障害のある人たちをどう守るか、避難行動要支援者名簿への登録、個別避難計画の整備や福祉避難所についてなどのことも記載されています。
ぜひ一度、目を通されることをオススメします。
お住まいの市町村にも防災計画がありますので、市町村HPをご確認ください。